旅・海外情報オススメの旅先
2020.10.22
音楽と笑顔あふれる明るい国、キューバ
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2016年夏、新婚旅行で行ったキューバ。
学生時代に『モーターサイクルダイアリーズ』という映画を観てから、チェ・ゲバラについてもっと知りたいと思い、ゲバラを題材にした他の映画や本など全て観ていて、いつか行ってみたいと思っていた国。社会主義国というと、閉塞感が漂っているイメージを持っていたのですが、キューバは一切閉塞感はなく、むしろ底抜けて明るく、国民も幸せに生き生きと生活しているイメージがあり、興味があったんです。
2016年にたまたま仕事でキューバ案件にも関わり、当時カストロ議長が病床に伏していて、カストロ亡き後は国も変わってしまうのではないか?と思い、その前に実際に自分の目で、「明るい社会主義国キューバ」を見てみたいと、夫も巻き込んで新婚旅行として訪れました。
首都ハバナに着くと、真っ青な真夏の空に、これまた真っ青な綺麗な海。レトロな建物に色鮮やかなクラシックカーが映えて、ガイドブックの写真で見たままの街並み。市街地では道端や店先のあらゆるところで、音楽とダンスが溢れていて、行き交う人々は笑顔で微笑みかけてくれるし、気さくに話しかけてくれる人もいたりと、陽気な人柄も伝わってきました。
日本人やアジア人の観光客はほとんど見かけなかったですが、アメリカ人の観光客は多く、その他にも西欧人観光客はたくさん見かけました。
キューバは二重通貨制度を採用していて、国民が使うCUP(クップ)と主に観光客が使うCUC(クック)の2種類の通貨があり、レストランでも二つ表記があります。値段はかなり違うので、観光客としては物価は東京の2/3ほどの感覚でした。国民が使うCUPのゲバラが印刷されている紙幣が欲しくて、お土産ショップの店員さんに聞くと、近所にも声をかけてその紙幣を持っている人がいないか探してくれました。
「すごい親切だな〜」と感動していたものの、6CUP分の紙幣をいただく時に、最初20CUCを要求されたり・・・(汗)1CUC=24CUPほどのレートなので、本来なら1CUCと交換するだけでも十分なのですが、あまりに粘り強く交渉してくるので、お土産代として割り切って10CUCを渡して、念願のゲバラの紙幣をゲット!!
普段の旅行ではローカルな地元民しか行かないようなエリアに行くのが好きなのですが、今回は旅行慣れしていない夫を連れての新婚旅行だったので観光地をメインに巡っていましたが、国民向けの「配給所」も観光地にも普通にあり、特に看板やメニュー表もないところに人混みができていて、「何だろう?」と思って近づいてみると、大量のパンや缶詰をビニール袋いっぱいに配給していて、みんな透明の大きなビニール袋を下げているシーンにも何度か出くわしました。
社会主義国なので国営のレストランやサービスばかりなのかと思っていましたが、個人経営などの民営のレストランやタクシーもあったのが少し意外で驚きでした。色鮮やかなクラシックカーは基本的には民営のタクシーで、ドライバーの方も英語を話せる方が多く、サービス精神も旺盛!!私も乗りましたが、ドライバーさんの話も面白く、英語でジョークを言ったり、日本の野球の話をしてくれたりと会話を盛り上げてくれて。こうした方々は外貨を直接稼ぐことができるので、収入もかなり高いようで。「社会主義国=基本的に年収も同じ」ということではないんですよね。
当時私が勤務していた会社にはハバナ支店があり、現地社員の方にもご挨拶をさせていただき、川沿いの素敵なレストランでディナーをご一緒しました。大きなロブスターを堪能して、1人5,000円くらいだったかと思いますが、このレストランも個人経営で完全に観光客向けのレストランになっていたりと、「社会主義国=みんな平等」という概念はどんどん崩れて行きましたね。
(半分以上食べてから写真をとるという失態・・笑。顔より大きかったです)
キューバでは高級ホテルでもwifiが制限されていたりとインターネットにアクセスできる場所がかなり制限されているのですが、その分、人は「今ここ」を楽しんでいると感じました。レストランでの音楽や歌、公園で散歩する様子。仲間でおしゃべりをしている姿。そして、親切な方が多く、道端でも英語で話しかけてくれて案内をしてくれたり、日本の印象などを聞かせてくれたり。最初は少し警戒をしていた私たちも、本当に善意で話しかけてくれている方が多く、フレンドリーさに癒された旅でもありました。
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